WiMAXの未来予測

5G登場でWiMAXはどう変わる?キャリア社員がざっくり解説

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最近、スマホやWi-Fi関連のニュースでも5Gという単語をよく見かけるようになりました。

もともとの計画では2020年にスタートする予定でしたが、国外の動きに合わせて2019年に前倒しされる事が各キャリアから発表されています。

とはいってもまだまだ馴染みの少ない言葉。5Gが具体的に私たちの暮らしにどんな影響を与えるのかイメージしずらい所ではあります。

確かに…何がどう影響するのかまではちょっとわかりづらいかな
Aくん(22)
クリオネ
どの企業も難しい事ばっか書いてるから余計だよね(笑)

通信業界ではまさに5G導入の為のプロジェクトがスタートしており、会社や部署によっては早くも終電まで終わらない仕事に追われています。

今回はそんな通信キャリアで働く筆者が、5Gが我々の生活をどんな風に変えるのか、WiMAXのようなモバイルWi-Fiとどう絡んでくるのか、ざっくりと解説してみたいと思います。

先にお断りをしておきますが、筆者はUQ関係者ではありません。そして内部事情をリークするものでもありません。

あくまで公開されている情報をわかりやすく解説・予想するものである事をあらかじめご了承ください。

5Gとは?4G・LTEとどう違う?

既に多くのメディアでも取り上げていますが、5Gではこれまでの4G・LTEと比べて多くの部分が進化します。

以下は3GPPという世界中の通信規格を決める組織・団体で提示された5Gの要求仕様です。(身近なものだけ和訳して抜粋しています。)

 5GLTE
上り下り上り下り
最大速度20Gbps10Gbps1Gbps0.5Gbps
実効速度LTEの3倍-
遅延0.5ms-
接続数*1100万約6万

*1 平方キロメートルあたりの利用可能デバイス数です。

実効速度が2Gbps

5Gでは下り最大20Gbps、上り最大10Gbpsが目標数値です。現在、モバイル回線でもっとも高速なのはWiMAXの1.2Gbps。その約16倍もの速度を目指しているんですね。

ただしこれはいつも通り理論値のお話。ユーザー側からすればまたいつものベストエフォートです。なかなかユーザーが本当に知りたい事が公開されないのは歯がゆいですね。

一応、実効速度では2Gbpsを目指してキャリア・メーカが実験中です。

ただ、もともと今のネットコンテンツは動画も含めて30Mbpsもあればストレスなく閲覧できます。

2Gbpsなんて言ったら50GBや100GBもあるソフトウェアをダウンロードした時しか体感速度を感じる事はないでしょう。蓋を開ければ遅いと感じる事は一切なくなるかもしれませんね。

具体的な実験内容については総務省データが役に立ちます。

普段は競争しあっている日本の通信業界全体が協力して5Gを推進しているので、どんな実験をしているのか見てみるのも面白いかもしれませんよ。

2Gbps…。想像できないなぁ
Aくん(22)
クリオネ
5Gが普及すればもう遅さを感じる事がほとんどないから、「通信速度」って言葉も聞かなくなるかもしれないね。

大容量化される転送量

5Gの解説でよく出てくる大容量化というのは、残念ながらユーザー一人が使える容量が増加するという意味ではありません。

2020年まで待てばスマホやモバイルWi-Fiの容量もめちゃくちゃ増えて制限がなくなる!という意見も見かけますが実はそうじゃないんです…。

よく通信は乗り物に例えられますよね。ここでもそれに倣って車に例えると速度は今までスポーツカーだったのがジェット機になるイメージです。

そして5Gでいう大容量はジェット機の積載量を差します。

技術に明るい人にはジャンボフレームやジャンボパケットの凄い版といった方がイメージしやすいかもしれませんね。

という訳で、5Gの大容量化は一度に送れるデータ量が大きくなるという意味なので、あまりユーザーには関係ない事だったりします。

じゃあ結局、5Gになっても容量に悩まなきゃいけないの?
Aくん(22)
クリオネ
そうならないように回線事業者は頑張らないとね…!(ブーメラン)

5Gを支えるネットワークの構築

ユーザーが使える容量は今までと変わらず回線事業者が増強しなければいけませんので、事業者の目下の課題は5Gの導入に加えて5Gに耐えられるネットワークを作る事にあります。

ネットワークの強化はこの数年で10GBから25GB、40GB、100GBとすごく短いスパンで増強されており、400GBや1000GB(1TB)の容量を持つネットワークまで出る始末。

キャリアが使う機器の性能はどんどんあがっていますが、実装には数か月から半年以上もの時間が必要です。

ただ、最近では増強だからといって時間のかかる機器の追加や入れ替え(リプレイス)をするのではなく、仮想化(SDNやNFV)などによって増強を低コストで手早く行える時代になりつつあります。

今まではなかなか増えない容量にヤキモキさせられましたが、5G時代を迎えるまでに各キャリアには頑張ってネットワークを作ってもらいたいですね。

クリオネ
頑張ります!
馬車馬のように働いてね!
Aくん(22)

0.5msという超低遅延化

通信速度はもっとも身近なものなので一番の目玉に感じられますが、5Gの真の価値は超低遅延にあります。

すごく身近な例を出すと今までゲーマーを悩ませていた遅延問題が完全に解決します。その目標数値はなんと0.0005秒。(0.5ms。ミリセック、ミリセカンドという単位です)

LTEやWiMAXだと大体50ms~100msと言えばその違いがイメージしやすいのではないでしょうか。

なお、低遅延を実現する仕組みはエッジコンピューティングという概念を使うのですが、かなり技術的な話になるので企業の解説ページに説明を任せます。

なぜそこまでの低遅延を目的にしたか、というとよく例に出されているのは医療の現場におけるロボットの導入や自動車の自動運転ですね。

生命に危険が及ぶようではこのようなロボットや自動運転といった革新的なサービスは絶対に実現できません。

どのような分野でも今はIoT、ICTでネットワークと接続する事が前提になってきました。身の回りのあらゆる物を接続する為には遅延を限りなくゼロに近づけるのが理想なんですね。

遠隔手術ロボットとか…もうほんと映画の世界やん
Aくん(22)
クリオネ
みんなが空想だと思っていた事がこれからどんどん実現していくだろうね!

接続数が6万台から100万台へ

遅延でも少し話題に出ましたが、これからはIoTの時代です。あらゆる物がネットに接続されます。

そうなると、問題になるのは1つのアンテナに同時に接続できる端末の数。

今までも平方キロメートルあたり6万以上もの機器に接続できていましたが、5Gでは100万デバイス(LTEの約16倍)もの数が接続できるようになります。

少し身の回りに置き換えると、一人あたりが使う通信デバイスはスマホ、タブレット、ゲーム機、ノートパソコンでせいぜい2台~4台程度。

日本だと東京都豊島区の人口密度が23,072でトップだそうです。この人たち全員が2台~4台持つとオーバーする可能性があるレベルですね。

人口密度はこちらを参考にさせて頂きました。

これからIoT社会になり、車、エアコンや空気清浄機などの家電製品、照明、ドアなどあらゆるものがネットに接続されます。

一世帯当たりの接続数は一人暮らしでも10デバイス以上になるでしょう。そうなるとやっぱり今までの6万デバイスでは不足する可能性が出てきます。

病院や学校、施設にも数多くデバイスが配置されるでしょうし街中にある防犯カメラや街頭、信号にも接続されるでしょう。

このような未来を実現する為にも、接続数は絶対に必要なんですね。

攻殻機動隊の世界や!電脳化しよう!
Aくん(22)
クリオネ
ほんとアニメやSFの世界に近くなるかもね!

その他の仕様

他にも省電力化や設備の低コスト化、高速移動中での通信といった項目がありますが、我々利用者からすればそこまで大きな話題ではありません。

高速移動中でも通信が途切れないというのは、新幹線に乗っていても通話が途切れないというイメージです。出張の多いビジネスマンにはうれしいかもしれませんね。

地味にすごいじゃん。電車でも通話が途切れないんでしょ?
Aくん(22)
クリオネ
まぁ、うん。電車で電話するのはマナー違反だけど(笑)

私たちの暮らしはどう変わる?

耳障りの良い事ばかりに見えますが、企業や組織の目指す所とユーザーの使い勝手は必ずしも一致しないのが世の常。

ポケットWi-FiやWiMAXに例えると、企業側は容量が無制限だと謳っていますが蓋を開けてみると一時的な制限があります。こういうのは隠されているようで気分が良くありませんよね。

速度の表現もいつまで経ってもベストエフォート。5Gでは2Gbps近くまで出るかもしれませんが、実際に使えるようになるまでわかりません。

5Gになると私たちユーザーの通信環境がどう変わるのか、ネット回線という見方で少し踏み込んでみましょう。

光回線からモバイル回線へ

5Gになれば光回線よりも高速かつ高品質になりますので、各戸へ光回線を敷設する必要がなくなります。

工事がなくなれば戸建てで壁に穴あけしたくない方も集合住宅で速度に悩んでいる方もうれしい話ですね。

とはいえサービスイン自体は2019年が目途ですが、あらゆるデバイスの通信ができるようになるにはまだしばらくの年数が必要でしょう。

では数年たったころ、光回線の代わりに何を使うのか?スマホでテザリング?モバイルWi-Fiルータ?

スマホでテザリングできればそうしたい、という方も大勢いらっしゃるでしょう。しかし容量の項目でお話したように5Gになったからといって一人が使える容量が劇的に増える訳ではありません。

逆に5Gになった事でスマホの容量不足がより深刻になる可能性すらあり得ます。

自宅のネット環境にプラスしてIoTで増えるデバイスを考えると、とてもスマホのテザリングだけではまかなえないでしょう。

少し古い記事ですが、過去にドコモの吉澤社長は以下のような発言をしています。

―― 料金に関連して、速度がGbps単位になって大量のデータをやりとりすると、月間のデータ制限があっという間に来てしまいますよね。5Gの料金プランはどうなるのでしょうか。

吉澤氏 データ量が5倍、6倍になるのなら、ビット単価を5分の1、6分の1にします。ですから、今と(料金は)変わらないぐらい。それは可能だと思います。データ量が2倍になったからといって料金を2倍にするわけにはいかないですからね。

IT Media ドコモ吉澤社長との会談

容量が増えても料金は変えない、というのは嬉しいですが今と変わらないという事は無制限プランが誕生しない事を意味します。今と変えないなら容量が有り余るほど設備を増強しないという意味ですから。

KDDI、Softbank、それに新たに加わる楽天も同じでしょう。

これらの予想を統合すると今後はスマホのテザリングや光回線ではなく、モバイル回線が主流になっていくだろうと思われます。

結局スマホ以外になんかしら契約しないといけないのかー
Aくん(22)
クリオネ
スマホだけで全部をまかなうってのは、ちょっと苦しいかもしれないね。

スマホの容量は増える?

 

散々これまで5Gになると凄い事になる、とお伝えしてきましたが、スマホやタブレットで使える容量の上限は今までより少し多くなる程度だと私は考えています。

その理由は2つ。

一つは5Gの目的がモバイル通信の利便性向上ではなく、あらゆる分野に目を向けた社会インフラを目指すものだから。

ここまでご紹介したように、医療・建築・教育・自動車・家電などなどあらゆるものに接続できるようにするのが5Gの役目です。

超高速通信も低遅延も大量接続も、目当てはモバイル端末という狭い枠組みではなくもっともっと広い分野で活用する事。

スマホ以外のデバイスがどんどん繋がれば、スマホの容量とは比較にならないほどのトラフィックが流れる事でしょう。更に医療関係なら生命にかかわる事なので最優先で通信処理されます。

その為、スマホの容量という見方で言えば優先度はそこまで高くないのです。

二つ目はWEBコンテンツで使用する容量が頭打ちになってきたから。

今はYoutubeのような動画コンテンツやSNSが盛んですよね。でもこれ以上のコンテンツといえば4Kや8Kのような超高画質動画やVR、ARといったxR(仮想現実・拡張現実などの総称)くらいなものです。

でもこれらはスマホで体験するコンテンツというよりはもっと別のデバイスですよね。

これからも新しいコンテンツがどんどん出てくるでしょうが、せいぜい今の数倍程度で収まるのでスマホの容量も劇的に増える事はないと考えています。

なんなら使いすぎれば制限を食らうという制度はこれからも残り続けるでしょう。

xR?みたいな新しいコンテンツは楽しみだけどスマホの使い勝手は変わらない可能性が高いんだね
Aくん(22)
クリオネ
マイナスのように言っちゃったけどスマホっていうモバイル端末自体、在り方が変わるかもしれないね。

WiMAXなどモバイル回線はどうなる?

WiMAXやポケットWi-Fiなど、今主流のモバイル回線は5Gが登場してもさほど変わらない立ち位置で利用されていくでしょう。

特にWiMAXの月間容量無制限はこれからますます重要視されると思います。

UQ WiMAXやワイモバイルがいかに早く5Gを取り入れた端末を発売するかが肝ですね。

5G対応端末はいつ頃登場する?

各社5Gは2019年に商用化すると発表していますが、対応したモバイル端末が発売されるのはしばらく先になるでしょう。

WiMAXでは5Gで重要視されているビームフォーミングという技術を他のキャリアよりも先に導入しています。

しかし5Gとなれば対応アンテナも設置していかないとなりませんし、端末の開発を担当するメーカもスマホ以外にIoTサービスのデバイスを大量に生産しなければなりません。

仮に2019年に対応端末が出たとしてもスマホだけだったり、東京都内だけなど限定されたものになると思われます。

一番早いものでも2020年のオリンピックが開催される直前などではないでしょうか。

外国の人に使ってもらう為って事?
Aくん(22)
クリオネ
うん。しかも東京しか使えないと思うなぁ。こういうサービスはいつも東京からスタートするから。

5Gは有料オプション?

WiMAXもポケットWi-Fiもオプションとしてスマホで利用されているLTE回線を追加できます。WiMAXではハイスピードプラスエリアモード(HS+)、ポケットWi-Fiではアドバンスモードと言われるオプションですね。

5Gも今のLTE回線と同じような位置づけで有用オプションとして利用する形になるのでは、と考えています。

この仕組みは現在も使われているキャリアアグリゲーションという技術を使います。

サービスインしてすぐはネットワーク全体の増強も終わっていないでしょうし、徐々に5Gの容量を増やしてシフトしていくのではないでしょうか。

5Gの容量が十分確保できるようになるまでは有料オプションのような形と考えておいた方が良いと思います。

いくらぐらいかね?
Aくん(22)
クリオネ
WiMAXは3年契約だと無料っていうのを貫くんじゃないかなぁ。ポケットWi-Fiもオプション料は684円で変わらないと思う…。高くしたら反発がすごいだろうし。

5Gの影響まとめ

5Gは世の中をびっくりするほど進化させる可能性を秘めた通信規格です。

身の回りのあらゆるものがネットに接続される世界というのがどういうものか、想像しただけでもワクワクしますね!

個人的には人気の高いWiMAXがどのように進化していくのかも見ものです。

既にWiMAXはビームフォーミングを採用して通信速度をあげる事に成功しています。5Gで想定していた技術をどんどん取り入れているので今後も期待大です。

このサイトではもっとも使い勝手の良いモバイル回線としてWiMAXを詳しく解説しています。

今、ネット回線を見直そうとしている方はぜひWiMAXの情報をチェックしていってくださいね!

最後まで御覧頂きありがとうございました!

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